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Silent Flower Cracks Concrete

個人的な雑感、備忘メモ

越境する営業

企画という立場ながら営業部で仕事をするようになって4年、改めて営業という仕事の奥深さについて考えるようになった。

誰かが誰かに何かを売るという活動の集積で世の中が成り立っている以上、モノを売ってしっかりカネを稼ぐことができるというのは、生きることに直結するスキルなのではないか。そしてそれは色々な意味でカネを稼ぐことが至上命題となった30代として、最も磨くべきスキルなのではないだろうか。

今年に入って寝食を忘れるほど日常を侵食された一冊が、横尾宣政氏著『野村證券第2事業法人部』だ。全盛期の野村の最前線、「事法マン」として大活躍した著者の生々しい働き方を知り、圧倒的な成果を叩き出す営業の真髄について考えるようになった。他の営業マンとは全く違う、突出した実績を上げ続ける営業の特徴はどこにあるのか。

第2章「コミッション亡者と呼ばれて」にこんな記述がある。

"コミッションを稼ぐためには、とにかく担当会社に商品を何か買ってもらわなければ話にならない。だから私は「どういう債券を出せば売れるのだろう」と考え続け、「売れるように工夫した債券を作って、どこかに発行してもらおう」と、終始目論んでいた。"

駆け出しの地方支店営業時代、著者は販売指令が下った金融商品をいかに客に嵌め込むかに血道を上げていく。しかし本部の事業法人部に異動してからは、企業のファイナンスを担えるようになったこともあり、いかに売れる商品を作り上げるかに工夫を凝らすようになる。営業からいわば商品企画に接近していく。

ここにいわゆるソルジャー営業との最大の違いがあるのではないか。営業の職掌を越えて、売れる商品を作り上げること。あるいは売れるように仕立てていくこと。

領分を越境するほど創意工夫を凝らすことで、突出した実績を上げる。この仕事のダイナミズムは他に代え難いものがあるのだろう。

こんな記述もある。”法人マンに必要なのは外交回数ではなく、担当会社に対して知恵を絞ること。”

自分にしか出せない知恵でモノを売り、収益を稼ぎ出す。30代はこの点に注力していきたい。