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読書感想文など

背骨と戦い方

コアコンピタンスという賞味期限切れの言葉があるが、この本はその体現となる事例を紹介している。世間を揺るがすスクープを連発する週刊文春、その組織能力はどういったものなのか。

本書や下記のインタビューで新谷編集長が繰り返し言及しているように、週刊文春には一本明確な「背骨」が通っている。

news.mynavi.jp

 ”週刊文春は、大きなスクープを飛ばして世の中の注目を集め、輝きを増していくメディアであり、そうあることがアイデンティティになっている(『文春砲』P.30)”

「スクープを放つ」ということが存在意義として組織の根幹に据えられ、そのために構成員の戦い方一つ一つが設計され磨き上げられている。

地取り(聞き込み)・物読み(資料分析)・張り込みといった徹底的なファクトチェック、スクープのタネとなるネタを見つける情報収集、週刊という極めて短いサイクルに合わせて必ず何かしらのアウトプットを出す、記事のメッセージを研ぎ澄まし構成を決める編集、等々。

社会に大きなインパクトを与える事業を営む人達は、どんな背骨を据えてどのような戦い方を実践しているのか。週刊文春という特異なメディア、というバイアスを外してフラットな視点で読むと非常に学ぶ点の多い一冊だった。